Prime Numbers I ~No die,No cry~ 「17」 III
私ハ、コミュニケーション能力が皆無ナのデス。
つまり、何ガ言いたイかト言うと…
「…どうした、何か用か?」
「えっ……ト…イイエ、何でもナイデス」
失敗しまシタ。初黒星デス。
私は、彼ニ、告白、しなケレバなりマセン。
つマり――
夜二三の視線が痛い…そう思いながら俺は三一叶、真一三と話を続ける。
(ぷぷ…十七波クン、好かれてるんじゃ?)真一三がテレパシーで言ってくる。コイツ引っ叩いていいですか…
そんな訳ないだろう。俺は心の中で訴える。
俺は俺を認めない。この世の誰からも好かれはしないし、好かれたくもない。こんなに俺が大嫌いな俺を、好かれたくはないのだ。それは即ち、嫌味や中傷の類だと思うようにしている。
真一三を見やると、とても悲しそうな――普段の調子からは想像も出来ないような――顔で俺を直視したあと、「トイレ」と言って、どこかに行ってしまった。
俺は授業開始五分前の予鈴を聞き流しながら、自分の席にさっさと着いた俺は、深く、本当に深く、ため息を一つこぼした。