軽小説掲示板(asWOCI5IM)

「痛い」を主題とした、恥っずかし~軽小説――所謂ラノベ――を上げてくコーナー(笑)です!日々更新はしないと思うけど、ノートに書いたのを更に痛く加筆して上げるのを主にやりますww

Prime Numbers I ~No cry,No die~ 「17」 IV

 放課後のこと。
 俺は、三一叶と真一三に先に帰って貰って、自分達の教室――「鉛筆」に戻ってきていた。
 何故かというと、夜二三が、「ちょ、チョッと、オ話がありマス…」と、俺を呼び出したからだ。
 完全に告白のシチュだが、アイツに限っては違う気がする。だって夜二三だぜ?
 そう考えつつも、本能では緊張しているようで、さっきから心臓がうるさい。やっぱり女の子から誰もいない教室に、「話がある」と呼び出されたら嬉しい。
 僅かながらも期待しつつ、俺はいつの間にか目の前にあった教室の扉を開く。

 そこには、完璧と言っていいほどの美貌を誇る、長髪の美少女がいた。

 俺は夕焼けに映える彼女に、不覚にも見とれてしまった。
「…お前…綺麗、だな」思ったことが、そのまま口をついて出た。
「え、エット…あ、アリガとう、ございマス?」夜二三が恥ずかしそうに顔を俯ける。
 俺達はしばし沈黙した。

 しばらくして、夜二三が切り出した。
「十七波サン」普段の彼女と違う、しっかりとした口調で言う。
「あ、ああ…」ヤバい、死ねそう。死なないけど。
「………………アナタに、お願イがありマス」
「な、何…で、すか?」
 彼女はまた黙って――今度は、強固な意思を瞳に宿して――、こう言った。

「アナタの力を、貸シてくだサイ」

この時、俺の、終わらないはずだった命に
――ヒビが、入った。