Prime Numbers I ~No die,No cry~ プロローグ「終を奏でる素数」2/2
素数は、かつての貴族のようなもので、生まれ持ったその数字位しかすがるもののない、空虚な人種だ。俺は、あろうことか、その空虚な人種に格付けされてしまったのだ。
俺の輪廻転生史上最大の屈辱だろう。10歳でこの事に気づいた俺は、即刻首吊りして転生しようと実際に首を吊ったのだ。が、しかしーー死ねなかったのだ。何故か。
俺は嫌でもその可能性に辿りついてしまった。嘘であって欲しかった。「番号的人種」はーー不死、だったのだ。
死ねない現実を知ってからも、俺は足掻き続けた。七夕の短冊に死にたいと書いたりもした(我ながら阿呆だと思う)。
それが、今この瞬間叶ったのだ。
だが、俺は「よっしゃあ!!」でもなく、「ついにキタ!!」でもなく、こう、思ったのだ。
ああ、俺、やっぱりーー死にたくなんて無かったわ…
…と。
To be continued…